オーケストラ
7月後半は、大阪フィルさんにお邪魔していました。
まずは神戸でコンチェルト3曲の伴奏。
コンサート後半にドヴォルザークのチェロコンチェルトを演奏された宮田大さんは、高校の1つ上の学年の先輩です。この日も本当に本当に、素晴らしい演奏でした。
1つ上の学年はものすごいスターが揃っている学年でした。
そんな人たちを間近で見て勉強できたのはラッキーだと思います。
翌週からは、人生初のマーラー!
マーラーはあまり自分から積極的に聴くこともなく、たぶん無意識に避けてきた作曲家だったと思います。一度パリで、ジョン・ノイマイヤーが振付をした交響曲3番をオペラ座で見たのですが、いまいち好きになれず...
演奏に1時間半近くかかる6番。譜読みの段階で既にかなり憂鬱になっていたのですが、リハーサルが進むにつれてジワジワと良さがわかってきました。
マーラーの曲はなぜこんなに長いんだろう?といつも思っていましたが、下界から離れてその世界観に浸るという一種のストレス解消というか現実逃避には、このくらいの長さが必要なのかもしれないです。足裏マッサージが45分じゃあっという間で物足りないのと似ているような、似ていないような。
そして何よりも、指揮者のインバルさんが素敵でした。お人柄の良さが遠赤外線のようにじわじわと伝わってくる感じでした。
ヴァイオリンのレパートリーでは触れられない作曲家の作品を弾いたり、素晴らしい指揮者の下で音楽ができたり、オーケストラでは沢山の発見があって、とても勉強になっています。
お寺にて
久しぶりに、パリで一緒に勉強したお姉さんたち(フルートの山本純子さんとピアノの西岡仁美さん)とトリオのお仕事に行ってきました。
私がこの編成用に編曲したフィガロの結婚序曲、ヴェニスの謝肉祭、ニューシネマパラダイスのメドレーなども演奏しました。最近忙しくて、新しい曲の編曲がなかなか出来ていません。書きたいものはいっぱいあるんだけどな...
そして、トリオの名前も付けました。
Trio Rue de Madrid.
「マドリッド通り」という意味で私たちが出会ったパリ8区の通りの名前です。
パリには面白い名前のついた通りがたくさんあります。町の名前や有名人の名前が多いですが、Rue du Chat-qui-Pêche(魚釣りをする猫通り)とかいう可愛い名前の通りもあります。
久しぶりにヨーロッパに行きたいです。
ロシアとフランスとバレエリュス。
6月はとても自分の世界に浸った1か月でした。
まずは、国歌を暗唱できるくらい好きなロシアに浸ったお話。
ロシア語の響きも好きだし、ロシアの猫も好きだし、トルストイやツルゲーネフも好きだし、カンディンスキーやシャガールも大好き、イシンバエワやヤグディンも好きだし、エカチェリーナ2世は小池百合子と同じくらい好きだし、ついでに言うと、ビートルズのBack in the USSRも大好き...本当にロシアが好きなのです。(行ったことはないのですが。)
そんな私は6月中、本当にたくさんロシアの曲を弾きました。
ワルツ・スケルツォ、懐かしい土地の思い出、チャイ5、オネーギンのポロネーズ、花のワルツ...ソロでもオーケストラでも、チャイコフスキーをたくさん弾き、グリンカのルスランとリュドミラの序曲、ラフマニノフのパガニーニ狂詩曲、ストラヴィンスキーのペトルーシュカ...本当にロシアまみれでした。
すごくどうでもいい情報ですが、ロシアのプーチン大統領はチャイコフスキー、ラフマニノフ、ブラームス、モーツァルト、シューベルト、リストが好きだそうです。(2007年のTIME誌のインタビュー参照)http://content.time.com/time/specials/2007/personoftheyear/article/0,28804,1690753_1690757_1695787-5,00.html
そしてこの1か月、とにかくオーケストラの仕事がたくさんあったので、午前中譜読みして午後リハーサル行って、帰ってきて別の譜読みをして、翌日本番をして、帰りの電車で次の仕事の譜読みをして、帰ってから少しソロの曲をさらって、次の日デュオのリハーサルをして翌日また本番... という、ひたすら譜読みとリハーサルと本番を繰り返す毎日でした。
そんな中で一番楽しかったのは、大フィルの定期演奏会。
私の大好きなバレエがテーマのプログラムでした!
特にペトルーシュカは大好きな作品の一つ。高校の授業で初めて「バレエ・リュス」を知り、完全に魅了されました。ディアギレフとニジンスキーについて読んだり、学校の図書館で映像資料を見たり、京都国立近代美術館の展示を見に行ったり...この不思議でグロテスクで魅力的な近代バレエの世界を知り、引き込まれてはや12年。
バレエ・リュスも活動拠点はパリでしたが、19世紀後半から20世紀にかけて、フランスで活動していたロシア人は本当に多いと思います。オペラ・ガルニエの天井画を描いたシャガールもロシア(というかベラルーシ)出身、ツルゲーネフもパリに住んでいたし。
ちなみに留学中の2009年には、ちょうどパリオペラ座でバレエ・リュスのプログラムをやっていたので公開ゲネプロを見に行ったりもしました。
その時期の公演がDVDになっていますが、Medici.tvでも一部見られます。
この時は、ファリャの三角帽子(ピカソのデザインした衣装・舞台美術をそのまま再現)、薔薇の精、牧神、そして後半にペトルーシュカという演目でした。当時大人気のエトワールだった、ニコラ・ル・リッシュが演じた牧神が印象的過ぎて...今でも脳裏に焼き付いています。
こういう動画を見ると、バレエ観に行きたくなります、パリに。笑
とにかく色々な資料を引っ張り出して眺めたり、大いに楽しみました。
そんな6月のしめくくりは、京都市伏見区のレストランPOKKIN'Sでのライヴでした。ヴィルトゥオーゾピースを4曲入れてしまい、なかなかハードでしたが、楽しく弾くことができました!
さて、7月は芦屋のクラシック音楽サロン「クラシカ」でリサイタルです。
楽しんでいただけるように色々と工夫を凝らしているので是非聴きに来ていただければと思います♡
芦屋のコンサートの詳細や、その他のコンサート情報はこちら。
お天気の安定しない季節ですが、みなさまくれぐれもご自愛ください。
5月の話
今月初めは、桐朋の同級生で3月末にウィーンから帰国したばかりのピアニスト、南部由貴ちゃんとドビュッシーのヴァイオリンとピアノのためのソナタを演奏してきました。秋篠音楽堂室内楽フェスタ賞というのも頂きました。ありがとうございました!
ドビュッシーのヴァイオリンソナタは彼の晩年の作品なのですが、晩年といっても54~55歳です。おじいちゃんではありません。この頃のドビュッシーは、家庭もぎくしゃく、借金もある、大腸癌、世の中は第一次世界大戦真っ只中、友人が戦死し、創作意欲も湧いてこない、という壮絶な晩節。そんな状況の中、100年前の5月に作曲者自身のピアノ、ガストン・プーレ氏(ジェラール・プーレ先生のお父様)で初演されています。
4月末からの一連のコンサートが落ち着いたので、京都府立図書館へ行ってきました。
秋に予定しているリサイタルでフォーレ後期の作品を弾くので、とにかくフォーレについて知ろう!ということで、沢山の本を書庫から出していただきました。サンサーンスとフォーレの書簡をまとめた本が本当に面白くて、一気に読みました。手紙を読んでいると、すごく身近な人間のような気がしてきます。
そして、5月20日は島村楽器グランフロント大阪店の弦楽器フェスタでした!
プログラムはこちら
盛りだくさんなプログラムに、今年完成されたイタリアの新作楽器2挺とGiovanni Battista Morassi(一番有名なモラッシーの甥っ子さん)の楽器の弾き比べコーナーなどもあり、とても楽しい企画でした!
素敵な機会をいただき、お客様もたくさん来ていただき、とても楽しかったです。島村楽器の社員の皆様の音楽に対する情熱も凄くて、沢山の刺激を受けました!本当にありがとうございました。
そして最近ジョギングをしています。日本の暑い夏を乗り切るために体力をつけておこう大作戦です。続くといいな。