Voyage à Paris ①
先週、4泊6日のパリ旅行に行ってきました。
1年10か月ぶりのヨーロッパ!
ロシア上空の景色が大好きです。(というか、ロシアが好きです。)
午後4時半ごろシャルルドゴール空港に着陸したのですが、そこからモタモタと荷物が出てこない。結局スーツケースを受け取れたのは1時間後で、そこから楽器背負ってスーツケース転がして空港駅までダッシュ。
RERとメトロを乗り継いで、大慌てでパリ市内のホテルに荷物を置いて、着替えをして、開演ギリギリにオペラ座に滑り込みました。
この日の演目はヘンデルのオラトリオJephthaでした。
英語の歌詞で、字幕は英語とフランス語。オーケストラと合唱は、Les Arts Florissants.
公演の詳細はこちら。
本格的な古楽のコンサートは初めてで、しかもそれがオペラ・ガルニエという幸せ!
ストーリーは本当にどうでもいい感じ(退屈なうえに、何を言いたいのか全然わからない)でしたが、曲が本当に綺麗でした。歌も器楽も柔らかくて、気持ちよくて心地いい時間でした。健やかな気分になる、居心地のいい音、というのに久しぶりに触れた気がします。
この時代の歌の作品を聴いていると、なぜかルネサンスの宗教画が頭に浮かびます。曲が書かれたのは17世紀なのに、頭に浮かぶのはボッティチェリとか15世紀あたりの絵画です。
そもそも、絵画でも小説でも音楽でも、作品を作った人が生きていた時代とその作品の舞台になる時代が全然違うことも多いし... 頭は常に心地よく混乱しています。
この日は終演したのが23時ごろだったので、ホテルに帰ってばたんきゅー、でした。
それにしてもオペラ・ガルニエは本当に美しくて大好きです。
一歩外に出ると、スリとか不審な人がたくさんいる現実に引き戻されますが...
弾き初め
3か月ぶりの更新です!
ブログを3か月以上放置していて、気が付いたら2018年になっていました。
あけましておめでとうございます!
昨年は帰国2年目になり、ありがたいことに80公演近いコンサートに出演させていただき(6割くらいはオーケストラ)、本当に沢山のことを学ぶことが出来ました。仕事をくださった皆様、コンサートにおいで下さった皆様、共演者の皆様、本当に有難うございました。反省点も多々ありますが、少しずつ、一歩ずつ、確実に改善していけるようにしたいです。
昨年秋以降のコンサートについて書きたいことが本当に沢山あるのですが、なんせ3か月分なので...手帳を見ながらささっと振り返りたいと思います。
9月24日 リサイタル@自由が丘
前日のいずみシンフォニエッタ終演後、ちゃっかりパーティーのケータリングで腹ごしらえを済ませ、友達に頼まれていた551の豚まん(チルド)を買って横浜へ。声楽科の友人特製の激うまアヒージョ&肉まんで乾杯し、24日は自由が丘でピアノの南部由貴ちゃんとリサイタルでした。
ドビュッシーのソナタ、フォーレのソナタ2番(2番ですよ!)、プロコフィエフのソナタ1番という、第一次世界大戦中に書かれた2作品と、第二次世界大戦中に書かれた作品で構成したプログラムでした。ものすごく持久力のいるプログラムでへとへとになりました。それでもとても素敵な会場で、拘りのプログラムを演奏でき、お客さんも沢山来ていただけて良かったです。高校卒業以来14年ぶりくらいに再会できた同級生もいて、本当に楽しい一日でした。
9月30日 リサイタル@逗子
前日に神奈川入りし、尊敬するチェリストご夫婦のお宅にお邪魔してラピュタを見ながらひたすらツッコミを入れまくる謎の夜を過ごし、翌日は逗子でサロンコンサートでした。
ドビュッシー、バッハの無伴奏、プロコフィエフのソナタを弾いてきました。
アットホームでとてもお洒落で知的な空間。とても素敵な方々に囲まれて、美味しい手作りケーキやシャンパン、キッシュなどのお料理も頂いて、ヨーロッパにいるような不思議な感覚になりました。こんなに素敵なサロンコンサート、なかなかないと思います。あまりに楽しすぎて帰りたくない感じでしたが、翌日から大阪→九州の仕事があるので泣く泣く帰京(京都の京)。
10月1日~4日&9日~13日 ツアー@九州
10月は2回も九州に行きました。1回目は福岡県と熊本県でした。
一番印象に残ったのは、上天草の風景。トトロの世界に来た感じでした。
2回目も熊本に行きました。
初めて熊本市内に滞在し、熊本城にも行きました。
10月15日 ティータイムコンサート@ポキンズ
温泉仲間であるヴァイオリンの古川葵ちゃん(幼馴染)、ピアノの佐渡春菜ちゃんと、フレンチレストラン「ポキンズ」でライヴをしました。私の編曲したもの、謎のロシア人の編曲の無駄に派手で難しいヴィヴァルディなど、変なものをたくさん弾いて楽しみました。まかないもいつも美味しいです!
3人で写真撮りたかったのに、佐渡春菜が先に仕事で帰ってしまったので、遠足に参加できなかった子みたいな写真に。なにはともあれ、この人たちといると、笑いが絶えなさ過ぎて腹筋が鍛えられます。
10月19、20日 大阪フィル定期
10月の大フィル定期演奏会は、チェコの巨匠ラドミル・エリシュカさんの最後の来日という、とても特別な コンサートでした。とてもとても細かいリハーサルに、エリシュカおじいちゃんと通訳さんの絶妙なコント...ではなく絶妙なやり取り、リハーサルがいつもあっという間でした。
ドヴォルザークの伝説曲、テ・デウム、交響曲第6番というわりとマイナーなプログラムでしたが、2日目の本番が終わった時には、思わず涙が出そうになりました。本当に素敵な思い出になりました。
10月28日 デュオリサイタル@バロックザール(公財)青山財団助成公演
いつか演奏してみたいと思っていたバロックザールでのリサイタルでした。プログラムは東京と同じ、ドビュッシー、フォーレの2番、プロコフィエフ1番、ピアノはもちろん南部由貴ちゃん。
この日まで、とにかく色々な仕事の合間を縫って(主に夜中に)少しずつ練習し、必死のパッチで挑みました。学生時代と違い、月に10公演前後のコンサートに追われながらのリサイタルの準備は想像以上の大変さでした。
それでも沢山のお客様にご来場いただき、特にプロコフィエフが好評だったのが嬉しかったです。
こういう緊張感のある本番を重ねることが大切だと思いました。
リサイタルが一段落し、11月初めには牡丹鍋を食べに丹波篠山まで行っていました!
京都市内から北西に走ること2時間(友達の運転)。青空と紅葉し始めた山の風景の中に、柿の実のオレンジ色が映えること!そして人生初の牡丹鍋。お肉も、味噌のお出汁も、天魚も、〆のご飯も、何もかも美味しすぎました。
11月と12月はオーケストラの本番ラッシュで、11プログラム17公演という譜読み地獄。それでも毎回楽しい本番が多く、特に尾高先生と大フィルの定期演奏会(モーツァルト)と12月の第九が心に残りました。
今年も沢山のことに挑戦していきたいと思います!
(今月半ばには、パリに古楽器のレッスンを受けに行ってきます!)
本年もどうぞ宜しくお願い致しますm(_ _)m
ルドルフ・ブッフビンダーといずみシンフォニエッタ
高崎での楽しい本番を終えて大阪に戻り、とてもとても楽しみにしていたルドルフ・ブッフビンダーさんといずみシンフォニエッタの『ウィーンムジークフェスト2017』のリハーサルが始まりました!
プログラム前半はベートーヴェンのピアノ協奏曲第一番、後半はトリプルコンチェルト。オール・ベートーヴェンです。
初日の練習ではウィーンフィルの首席チェロ奏者であるタマーシュ・ヴァルガさんが、素晴らしいリーダーシップでオーケストラを引っ張ってくださいました。
2日目から弾き振りのブッフビンダーさんと、トリプルコンチェルトでヴァイオリンのソリストを務められる小栗まち絵先生が加わり、とても濃い濃いリハーサルに。小栗先生の、キラキラと明るい真っ直ぐな音が素敵で、目標にしたいヴァイオリニストがまた一人増えました。
ブッフビンダーさんの演奏は、まるで何かを話すような、ものすごく自然で優しい音楽で、ピアノを「弾いている」という感じが全くなく、魔法そのものでした...何時間でもずーーーっと聴いていたい、と思う演奏って滅多に出会えないですし、同じ空間で弾かせて頂けて感激でした。
この感動、なかなか文章では伝えられないので、みなさま是非ブッフビンダーさんのコンサートに足を運んでみていただけたらと思います!(時々来日されます。)